“工藤家のお茶会”を考察|工藤邸で何を話し合ったのか|秘密裏に行われた屈指の頭脳の会合

どうも、シオ兄(@conan_sio2)です。

 

単行本95巻(アニメ『迷宮カクテル』)で行われた、工藤夫妻と赤井秀一、そして安室透の4人による深夜の話し合い、通称工藤家のお茶会

ここで話し合われた内容については、現時点ではまだ明らかになっていませんが、今後のストーリーに関わる重要な一件です。

今回は、この”工藤家のお茶会”で何が話し合われたのかについて考察していこうと思います。

ネタバレ注意です。以下、サンデー最新刊までの情報を含んでいる場合があります。

 

お茶会に至った経緯

まずは、”工藤家のお茶会”に至った経緯を確認しておきましょう。

 

きっかけは帝丹高校2年の修学旅行

その旅行先の京都である事件が起こりますが、せっかくの修学旅行だからと事前に灰原から解毒薬をもらっていたコナンは新一の姿に戻り事件を解決します。

例によって、自分が関わったことは公にしないようにと学校やクラスメートに口止めをしますが、事件現場に居合わせていた人たちによって、工藤新一は生きていたということがSNSで拡散されてしまいました。

拡散された工藤新一生存情報に対処すべく、新一の両親・優作と有希子は日本に帰国します。

そして、生存情報のネタ元を発信した自称”工藤ファミリーフリーク”の女性に接触し、優作のサインをプレゼントするというのを交換条件に、「情報はデマだった」と発信をしてもらい噂の火消しに成功しました。

しかし、世間にはこれで通せても、黒の組織の目は欺けないだろうと案ずるコナンサイド。

悪い予想は的中し、毛利探偵事務所の横に構えているいろは寿司の板前・脇田兼則を装うラムから、「工藤新一の情報を要求する」との命令が安室に下りました。

その命を受けて安室は工藤新一の情報を探るべく工藤邸に侵入しますが、そこには赤井秀一が真の姿で待ち構えていました。

安室「ぬかったな、赤井秀一…」

赤井「その言葉…そっくりそちらに返すとしようか…バーボン」

安室「何を馬鹿な…沖矢昴の正体を見破られた時点で貴様の負けだ…」

赤井「君が今日ここへ侵入する事を…全て読んでいたとしたらどうだ?合い鍵を作る事も…工藤新一を探れという命を受ける事も…」

安室「フン…やはりその口を塞ぐには…引き金を引くしかなさそうだな…」

名探偵コナン95巻より引用

 

銃口を向け合い緊張感の高まる中、安室が引き金を引こうとした瞬間にパッと灯りが点き、2人の前に工藤優作と由希子が現れます。

そして緊張を解くように、紅茶を飲んでゆっくりしていくよう安室に促しました。

その後行われたであろう話し合いが、“工藤家のお茶会”です。

 

安室(バーボン)の使命

安室(バーボン)は黒の組織にスパイとして潜入している公安の人間です。

組織内部の情報を入手するためには、組織の人間として活躍し上層へ上り詰める必要があり、今回受けたラムからの指令(工藤新一の調査)も必ず遂行しなければなりません。

なので、安室は工藤邸に侵入したからには工藤新一の情報を信頼できる証拠等と併せてしっかりとラムに報告する必要があります。

ここで虚偽の報告をするようなことがあれば、自分の命は危険にさらされ、組織を探るために潜入した公安のミッションも未達に終わるでしょう。

一方、コナンサイドからしてみればこの状況は危機的です。

安室に家を捜査されてしまえば、工藤新一が生きているということはバレてしまうでしょう。

そればかりか、薬で幼児化してコナンとして生きているということすら分かってしまう恐れもあります。

安室は、自分の調査の結果「新一は○んでいなかった・コナンとして生きていた」と分かってそれを報告しても、自分に害は無いどころか組織内でさらに昇格しうるネタになります。

さらに言ってしまえば、安室は新一が生きていることを隠してもメリットがありません。

新一が生きているとバレて困るのは、コナンをはじめ優作・有希子・蘭・阿笠博士やその周りの関係者です。

ただ、安室も本当は公安の人間で、できれば一般人の被害者は出したくないでしょうから、ジレンマの状況に陥っていると言えるでしょう。

優作と赤井は、安室のそういう状況を理解した上で、両サイドにとって不利な状況とならないような作戦を考え、その交渉を持ちかけるために安室をお茶会に招き入れたと考えられます。

 

お茶会のテーマ

優作と赤井の関係

では、そのお茶会で何が話し合われたのか。

まずその手がかりの一つとなるのが、優作の服装です。

工藤邸の玄関で安室が銃口を向けた先にいたのが赤井だったことから、以下のセリフからも読み取れるように、安室は「沖矢の正体はやはり赤井だった」こう思ったことでしょう。

安室「何を馬鹿な…沖矢昴の正体を見破られた時点で貴様の負けだ…」

名探偵コナン95巻より引用

単行本85巻『緋色シリーズ』で沖矢≠赤井であると思わせることに一旦は成功しましたが、単行本90巻『裏切りのステージ』で安室は沖矢の聞き手が左に変わっていたことから再び疑惑を持ち始めていました。

しかし、そこで沖矢の格好をした優作が出てきたことで安室は混乱したはずです。

「沖矢がこの家の家主である工藤優作の変装というのであれば、この場に赤井がいるのはなぜだ…」

こう考えたであろう安室は、優作と赤井の関係を察したはず。

それは、優作と赤井は協力関係にあるということ。

よって、まずお茶会の話し合いのテーマの1つは、《優作と赤井(FBI)は協力関係にある》であろうことが推察できます。

 

緋色シリーズの真相

具体的にどう協力したかというと、緋色シリーズの一幕です。

安室は沖矢の正体を赤井だと怪しみ、その身を隠すのに利用していた工藤邸に押し入って優作扮する沖矢のマスクを剥ごうとしますが、その頃安室の部下が追っていたFBI(ジョディとキャメル)の車に赤井本人がいたことで沖矢にかけられた疑いの目は逸らすことができたという一件です。

しかしそれは沖矢の正体が赤井だとバレないようにその時だけ優作が成り代わっただけであり、本当は沖矢というのは赤井がその身を隠すために作った人物であると説明したのではないかと思われます。

併せて、変装術も扱えるという情報も共有したでしょう。

 

工藤新一の情報

そして2つ目のテーマとして考えられるのが、工藤新一の情報についてです。

安室は工藤新一の情報を探るよう指令を受け、その報告義務があるというのは上述した通り。

安室の行動を「全て読んでいたとしたらどうだ?」と言うくらいなので、優作・赤井は安室がその状況に置かれていることは想定済みなはずです。

だとすると、このテーマ無しにお茶会が終わるとは考えにくいでしょう。

ではどう話しあったのか。

お茶会直後の時点では推理するのは難しいですが、単行本100巻『暗中の灯火』(アニメ『黒づくめの謀略』)で以下のようなやり取りがあります。

沖矢(赤井)「コナン君を連れて行っても構いませんか?」

優作「…なぜ私に?」

沖矢(赤井)「何となく…それが筋かと…」

優作「親戚の少年ですが、よろしいんじゃないでしょうか…」

名探偵コナン100巻より引用

 

お茶会から5巻進んだタイミングでのやり取りです。

優作はお茶会後も、赤井の前では「コナン=親戚の子ども」という設定を貫き通していますが、このやり取りは2通りの解釈ができます。

  1. 赤井は個人的に「コナン=新一=優作の息子」と気付いているが、それを知らない自分を演じていたつもりがその時だけついうっかりコナンの父である優作に「連れて行ってもいいか」と聞いてしまった
  2. お茶会で「コナン=新一」という事実が共有されたが、周りにいるFBIメンバーはこの事実を知らないため、「連れて行ってもいいか」とうっかり口を滑らせた赤井に対し優作が咄嗟に「なぜ私に?」と返してうまくその場をやり過ごした

❶は上のやり取りを素直に受け取ったパターン。

このパターンだとすると、お茶会では「コナン=新一」という事実は共有されなかったということになります。

ところが❷のパターンだと、これが全く逆になり、お茶会で「コナン=新一」という事実が共有されたことになります。

真意はこの2つの内のどちらかだというのは間違いないと思いますが、現時点(2023年5月)では断定できません。

「コナン=新一」という事実が話されたかどうかは現時点では分かりませんが、いずれにしろ、ラムには工藤新一の情報を何かしらでっち上げて報告をする必要があります。

そこで優作と赤井は妙策として、「沖矢=新一」という設定を作ることを考えたのではないかと個人的には推理します。

「新一はやはり○んでいました」という報告ではラムは納得しないでしょう。

修学旅行の件で相当疑っていますから。

○んだという証拠を用意すればいいのではという考えもありますが、その場合警察に協力してもらう必要が出てくるのでそれは無理があります。

となると、どこかで生きているという設定を作った方が上手くいくのではないかと。

ただ、新一が素の姿のままで生きていることにしたら、新一に関わる人間に間違いなく危害が及ぶのでそれはナシです。

じゃあどうするかというと、新一が変装して他人に成りすまして生きているという設定を作るということです。

ただ、これも「沖矢=新一」と断定させてはいけません。

「沖矢は新一が身を隠すために作り上げた変装した姿でした!」とラムに報告してしまったら、新一の周りの人間に危害が及ぶからです。

あくまで、「沖矢=新一」かもしれないという不確定な状態をラムに報告する。

これなら、少々時間稼ぎができます。

ただ、「沖矢=新一」だという設定を作れば、今度は沖矢に黒の手が差し迫るでしょう。

「沖矢=新一」はかなりリスキーな作戦ではありますが、その反面、組織を誘き寄せるまたとないチャンスにもなります。

補足ですが、単行本96巻『「ミケ」じゃなくて』(アニメ『標的は警視庁交通部』)で、安室は黒田から「例の件はどうなってる?」と聞かれ、「まだ何も…」と返答しながらお茶会のシーンを思い浮かべていました。

黒田兵衛「それより例の件はどうなってる?」

安室「まだ何も…」

名探偵コナン96巻より引用

この例の件というのも、ラムに「沖矢=新一」と報告したことによる沖矢を探る組織の動きのことを指ししているのだとしたら、「沖矢=新一」作戦の説は濃厚になってくるのではないでしょうか。

 

以上、お茶会で話し合われた内容は、

  1. 工藤夫妻は赤井(FBI)と協力関係
  2. 緋色シリーズの真相(変装術)
  3. 工藤新一の情報

 

であろうと推察できます。

 

お茶会後の気になるシーン

お茶会の内容は103巻時点ではまだ明らかとなっていませんが、やはり重要な一件であると伺える描写がいくつかあります。

まずは単行本100巻『秘密のお参り』(アニメ『縁結び神社○人事件』)により、コナンはお茶会が開かれたことを知らないということ。

コナン「(海猿島から帰った時に父さんと赤井さんが話してた…お茶会…?)」

名探偵コナン100巻より引用

単行本95巻(アニメ『迷宮カクテル』)で安室が工藤新一の情報を探るために合鍵を作ろうとしていることをコナンが優作達に伝えていた可能性は十分あり得ますが、いずれにせよコナンはお茶会が開かれたことは知りません。

別件があるなどでたまたまコナンが参加できなかったのではなく、あえてコナンを呼ばなかった。

つまり、コナン抜きでお茶会を開く必要があったということです。

推理力は優作に劣るとはいえ、当事者であるコナンを参加させない理由はただ一つ。

コナンがお茶会に参加しては逆に不都合が生じるからだと考えられます。

赤井秀一の偽装○の件でも、FBIの仲間にさえ赤井秀一は本当に○んだものと思わせることで、敵である黒の組織を欺くことができました。

敵を欺くにはまず味方から“という言葉があるように、味方であるコナンにお茶会の存在を隠すことによって、成功しうる作戦が立てられたのではないかと思います。

その作戦というのは、あくまで推理の域を出ませんが、上述の「沖矢=新一」作戦なのかなと。

 

そして同じく単行本100巻『秘密のお参り』(アニメ『縁結び神社○人事件』)より、優作と赤井は安室に対し何らかの要求をしたが、安室はその場では回答せず一旦持ち帰ったためその返答を待っている状態であることが窺えます。

優作「例の深夜のお茶会の答えをまだ頂いてませんし…」

赤井「えぇ…」

名探偵コナン100巻より引用

要求したのは、組織の一員としてのバーボンに対してなのか、はたまた公安としての降谷零に対してなのか。

いずれにしろすぐには返答できない内容だったのでしょう。

 

おわりに

今回の考察を簡単にまとめると、優作と赤井は自分たちの関係について安室に説明し、その上で現状の危機的状況を上手く対処でき且つこの状況を逆手にとって組織を罠に嵌める計画しているのではないかと個人的には考えています。

このお茶会に関する新たな情報が分かり次第、また言及していこうと思います。

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